軽井沢 別荘


「美しい村」 序曲 6月10日 K村にて 

ご無沙汰をいたしました。
今月の初めから
僕は当地に滞在しております。
前からよく僕は、こんな初夏に、
一度、この高原の村に
来てみたいものだと言っていましたが、
やっと、今度、
その宿望がかなったわけです。

どこへ行っても野薔薇が
まだ小さな硬い白いつぼみをつけています。
それの咲くのが待ち遠しくてなりません。
これがこれから咲き乱れて、
いいにおいをさせて、
それからそれが散るころ
やっと避暑客たちが入り込んでくるのでしょう。

ある午後、
雨のちょっとした晴れ間を見て、
もうぽつぽつ外人だちのはいりだした別荘の
並んでいる水車の道のほとりを
私が散歩していたら、
チェコスロバキア公使館の別荘の中から
誰かがピアノを稽古しているらしい
音が聞こえてきた。
私はその隣のまだ空いている
別荘の道へ這入り込んで、
しばらくそれに耳を傾けていた。バッハの♪ト短調のフーガらしかった。

私が小さな美しい流れに沿うて歩き出すと、
その径にずっと笹縁をつけている野いちごにも、
ちょっと人目につかないような花がいっぱい咲いていて、
それがある素晴らしいものの
ほんの小さな前奏曲(プレリュード)だと言ったように、
私を迎えた

堀辰雄 「美しい村」より                   


エーデルワイス
作詞オスカーハマースタイン
作曲リチャードロジャース

エーデルワイス エーデルワイス
かわいい花よ
白いつゆに ぬれて咲く花
高く青く光る あの空より
エーデルワイス エーデルワイス
あかるく 匂え

エーデルワイス エーデルワイス
ほほえむ花よ
悲しい心 なぐさめる花
はるかアルプスの峰の 雪のように
エーデルワイス エーデルワイス
かがやけ永久に

苗場で作った雪だるま